みをつくし料理帖 DVD 脚本家のことば…藤本有紀

8年前、私はまさに刊行され始めたばかりの『みをつくし料理帖』を書店で見つけました。「八朔の雪」という副題の美しさに心ひかれたことをよく憶えています。この小説は、きっとおもしろい。そう思いながら、そのときはまだ読まずにいました。

ときどき、こういうことがあります。初恋芸人 DVD「きっと私はこれを好きになるけれど、今は手に取らない。いつかそのときが来たら、必ずまた出会うから」。

今そのときが来て、私は再び『みをつくし料理帖 DVD』に出会うことができました。主人公の澪をはじめとする、いとおしい登場人物たちと出会うことができました。彼らの織りなす物語は、私の想像をはるかに超えるものでした。それは、温かな人情に包まれた、けれども決してきれいごとではない、少女の自立の物語でした。

配役を見ていただければ、「今そのときが来て、出会った」という意味をさらに明快にわかっていただけると思います。今このときだからこそ、屋根裏の恋人 DVD私たちは黒木華さんの演じる澪に出会えました。そして黒木さんの澪だからこそ、こんなにも豪華なキャストのみなさんともご縁がかない、いま考えうる最高の布陣で『みをつくし料理帖』を味わえるのです。

驕らず、弛まず。感謝の心を忘れず。心星を見失わず、愚直に自分のつとめを果たす。そんな澪のようにありたいと努めながら、精魂をこめてこの脚本を書きました。
今このとき、ひとりでも多くの方が土曜時代ドラマ『みをつくし料理帖 DVD』と出会われますことを願っております。